耐震リフォームを行うメリット・デメリットについて解説!
日本は地震大国であり、今後も南海トラフ地震など大地震の発生が予測されています。その中で、自宅の耐震性について、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では、耐震補強を検討されている方に向けて、耐震リフォームで得られるメリット・デメリット、費用相場などについて紹介いたします。
耐震リフォームを行うメリット
耐震リフォームを行うことには、次のようなメリットがあります。
地震による被害を軽減できる
耐震リフォームは、建物の耐震性を向上させることが目的です。例えば、基礎や壁補強、腐り対策などが耐震リフォームに該当します。耐震リフォームを施すことで、地震時に建物へ与える被害を軽減させ、家族や家具家電などの大事な財産を守り、保護できます。
建物の資産価値を向上できる
建物の資産価値は、買い手によってどのようなメリットがあるのかで変わります。耐震性能は、多くの方が家に求める性能なので、耐震リフォームで耐震性を高めることは、資産価値の向上につながります。すぐにではなくとも将来的に建物の売却予定がある方は、耐震リフォームを検討してもいいでしょう。
税制優遇を受けられる場合がある
耐震リフォームにより一定の耐震性の向上が認められた場合、税優遇を受けられる可能性があります。例えば、昭和56年5月31日より前に建てられた木造建築を対象に耐震リフォームを行う場合、所得税が一定額控除されます。
さらに、ローンを借り入れて耐震リフォームをする場合は、住宅ローン控除が受けられるという優遇もあります。
市町村によっては、独自の税制があるので、事前に確認しておくといいでしょう。なお、優遇を受けるためには、一定の要件を満たさないといけないので、検討している耐震リフォームが要件に該当するか調べておきましょう。
耐震リフォームを行うデメリット
一方で、耐震リフォームにはデメリットもあります。メリットと比較した上で、耐震リフォームを行うか検討するようにしましょう。
工事によっては費用が高額になる
耐震リフォームには、専門技術や高価な建材が必要です。元の建物の耐震性、どの程度まで耐震性を上げたいかによっても費用は変動しますが、ある程度の費用がかかると考えておくといいでしょう。
工期が長くなりやすい
構造的な変更を伴う耐震リフォームをする場合、1ヶ月以上の工期がかかることがあります。さらに、工事内容によっては、建物の解体が伴うため、住みながら工事を進めることができません。仮住まいによる手間や引越し費用がかかる場合もあるので、頭に入れておきましょう。
元のデザインや間取りが変更されることがある
耐震リフォームにより構造的な変更をする場合、元のデザインや間取りを損なうことがあります。例えば、外壁の一部にワイヤーフレームを設置することでデザイン性が損なわれる、室内の壁を増設することで空間が狭くなるという事例があります。
耐震リフォームの工事の流れ
では、実際に耐震リフォームはどのような流れで進んでいくのでしょうか。詳しく解説していきます。
耐震性を診断する
はじめに既存建物の構造や状況の診断からはじまります。診断する際に、既存建物の柱や梁の位置がわかる図面を手元に準備しておくといいでしょう。診断により費用などが明確になります。
補強箇所を設計する
診断結果をもとに、補強箇所や利用する建材などを設計し費用や工期などが確定します。
リフォーム工事施工
設計に基づいて、部材が手配された後に、リフォーム工事がはじまります。工事により建物の耐震性能が向上します。実際に工事を進めていく中で問題が生じることもあり、その際は設計を変更しながら工事を進めていきます。
耐震リフォームの費用相場
費用は、工事の規模によって大きく変動します。リフォーム費用は可能な限り抑えたいと考えがちですが、他業者と比べ極端に安い業者だと工事の効果が期待できない場合もあるので注意しましょう。
費用相場
一般的に、耐震リフォームの費用相場は、50万円〜数100万円です。金具を取り付けるだけの耐震リフォームの場合、工事にかかる費用は50万円以下でできる場合があります。耐力壁の追加や解体を伴う工事の場合、100万円以上の費用を想定しておくといいでしょう。
耐震リフォームで補助金がでる場合も
市町村によっては、耐震リフォームをすると補助金をもらえる場合があります。耐震診断のみは、無料で行う市町村もありますので、対象となる自治体のホームページで内容を確認しておくといいでしょう。
まとめ
以上、耐震リフォームを行うメリット・デメリットと合わせて、工事の流れや費用相場について紹介いたしました。耐震リフォームでは、建物の耐震性の向上を目指しますが、それにより家族や財産を守る、建物の価値を上げられるというメリットがあります。
一方、工事を行うことで手間や費用がかかることがデメリットです。さらに工事内容によっては、元の建物の原型を維持できない場合もあります。メリットとデメリットを合わせて考えた上で、リフォームを検討するようにしましょう。