全館空調の後付けリフォームとは?メリットや注意点を解説

公開日:2025/01/15  最終更新日:2024/10/06

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近年、住宅リフォームの一環として「全館空調」を後付けするケースが増えています。全館空調とは、住宅内のすべての部屋を均一な温度に保つためのシステムで、とくに快適な生活環境を追求する家庭に人気があります。この記事では、全館空調の概要から後付けリフォームのメリット・デメリット注意点を解説します。

リフォームで人気の全館空調とは?

全館空調とは、住宅全体を一括して管理できる空調システムです。

一般的なエアコンやファンヒーターとは異なり、部屋ごとに空調機器を設置する必要がなく、家中どの部屋にいても均一な温度が保たれます。各部屋に個別のエアコンを設置するのではなく、家全体の空気を調節し室内の温度差をなくせるため、快適な生活環境を実現可能です。

従来、全館空調は新築住宅で採用されることが一般的でした。しかし、近年では既存の住宅にも後付けで導入できる場合もあります。

全館空調の後付けリフォームのメリット

全館空調を後付けでリフォームすると、さまざまなメリットがあります。

快適な室内環境が実現できる

全館空調の最大の魅力は、どの部屋にいても快適な温度が保たれる点です。

部屋ごとの温度差がなくなるため、特定の部屋が寒すぎたり暑すぎたりする状態がありません。とくに家族が複数の部屋で過ごす場合、家全体が同じ温度で維持されることは大きな利便性といえるでしょう。

温度ムラがなくなる

一般的なエアコンやヒーターでは、部屋ごとに温度差が生じやすいです。

部屋の中心部は暖かくても、窓際やドアの付近は寒いという状況が発生します。全館空調では家全体が均一に暖められるため、温度ムラが解消され、どこにいても快適に過ごせるのです。とくに冬場の寒い朝や夏の猛暑の際には、均一な温度管理ができる効果が大いに発揮されます。

省エネ効果がある

全館空調は一見するとエネルギー消費が多いイメージがあります。

しかし、実際には効率的に住宅全体を空調できるため、エネルギー消費の低減が可能です。エアコンを各部屋ごとにオンオフする必要がなく、ひとつのシステムで家全体を効率的に空気調整できます。全体的な電気代の抑制も期待できるでしょう。これにより、長期的なコスト削減にもつながります。

メンテナンスが簡単

全館空調のシステムは、エアコンのように複数の機器を設置する必要がないため、メンテナンスがシンプルです。

個別のエアコンやヒーターをそれぞれ掃除したり、フィルターを交換したりする手間が省けます。定期的なメンテナンスを一元管理できる点も大きなメリットです。

全館空調の後付けリフォームのデメリット

一方で、全館空調の後付けにはいくつかのデメリットも存在します。

導入を検討する際には、これらの点も十分に考慮する必要があります。

工事費用が高額になる

全館空調を後付けで導入する際の最大の課題は、工事費用の高さです。

全館空調システムの導入には、既存の住宅に配管やダクトを設置するための大規模な工事が必要になる場合があります。そのため、工事費用がエアコンやストーブなど個別の機器に比べて格段に高くなるケースが多いです。

とくに古い住宅では、建物の構造自体に手を加える必要があるため、コストがかさむ可能性があります。

既存の住宅の構造によっては導入できない場合がある

全館空調のシステムは、住宅の構造に大きく依存します。

とくに、古い木造住宅や断熱性能が低い家では、全館空調の後付けが技術的に難しい場合もあります。天井や床下のスペースが狭い住宅では、空調設備の設置が困難になるケースがあるため、事前に専門家の診断を受けることが重要です。

断熱性や気密性を上げるためのリフォームが必要になる場合がある

全館空調の効果を最大限に引き出すためには、住宅自体の高い断熱性能や気密性が前提となります。

全館空調は家全体の温度を一定に保つため、住宅の気密性や断熱性が低いと空調効果が薄れ、エネルギー効率も悪化しかねません。全館空調の後付けリフォームとあわせて断熱リフォームを行う必要があり、結果的に追加の工事費用が発生する可能性も考えられます。

全館空調の後付けリフォームの注意点

全館空調を後付けで導入する際には、以下の点に注意が必要です。

工事費用の見積もりを事前に確認する

全館空調の導入には、多額の費用がかかる可能性があります。

リフォーム業者から詳細な見積もりを取り、工事にかかる総費用を事前に把握しておきましょう。また、複数の業者から見積もりを取り比較することで、適正な価格で工事を依頼できます。

さらに、断熱リフォームの必要性や電気代の削減効果も考慮した総合的なコストパフォーマンスの確認が重要です。

住宅の構造を専門家にチェックしてもらう

全館空調を後付けする際には、住宅の構造が重要なポイントとなります。

とくに配管やダクトをとおすスペースが十分にあるか、天井や壁に問題がないかなど、技術的なチェックが必要です。リフォーム業者や空調設備の専門家に住宅の状況を調査してもらい、全館空調の導入が可能かどうかの確認作業が求められます。

リフォーム全体のスケジュールを計画する

全館空調の後付けリフォームは、通常のエアコン設置に比べて時間がかかります。

工事期間中は住まいに不便が生じる場合もあるため、事前の計画的な日程調整が大切です。とくに、ほかのリフォームと同時に進行する場合は、全体のスケジュールを調整し、効率よく工事が進められるような計画が重要です。

まとめ

全館空調の後付けリフォームは、快適な室内環境を実現するための有効な手段です。家全体の温度が均一に保たれると、生活の質が向上し、省エネ効果も期待できます。しかしながら、工事費用の高さや住宅の構造による制約、さらには断熱リフォームが必要になる場合があるなど、導入には慎重な検討が必要です。全館空調を後付けするかどうかは、家族の生活スタイルや予算に応じて決めましょう。

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